最後まで暮らせる、地域包括ケアの実現をめざして

2012年11月1日 11時30分 | カテゴリー: 活動報告

NPO法人サポートハウス年輪、西東京市のとりくみから

10月25日、公益社団法人東京自治センター主催 第208回月例フォーラム

『地域で最後まで暮らしたい~地域包括ケアと医療~』:NPO法人サポートハウス年輪  理事長 安岡厚子さんのお話を伺いました。 

サポートハウス年輪は、現在人口197,972人、高齢化率21,4%の西東京市で、1994年から24時間在宅ケアサービス(時間と曜日に制限のない24時間365日のヘルパー派遣と夕食のお弁当配達)を行っています。2009年より東京都のモデル事業「認知症デイサービス活用事業」を手掛け、認知症デイサービスの時間外に「早朝」「夜間」「泊り」を昼の時間帯に勤務している顔見知りのスタッフが行うサービスを提供。現在モデル事業は終了しましたが、利用希望者が多くナイトホームとして継続、本人や介護家族にとって心強いサービスを行っています。

西東京市の医療と福祉の連携体制は、西東京市課題調整委員会の運営により、グループホームの医療連携や往診、医歯薬連携事業や、コミュニティサポート研究会への参加によって、医療機関、医療職、看護職、薬剤師などが互いに顔見知りになることで、患者さんにとってよりスムーズな引き継ぎ運用を可能にする仕組みを形成しています。

 とても興味深かったのは、『地域を耕す』というサポートハウス年輪のとりくみ。

バザー、講演会、認知症サポーター養成講座、映画会、通信発行のほかに、高齢者へ配食するお弁当(栄養バランスが考えられた美味しい1個500円)を窓口販売することで、子どもたちが買いに来るなど、頻繁に近隣住民との交流が図られています。又サポーター養成講座は、小学校5年生を対象に行う出前講座もあり、最後に聞く認知症についての子どもたちの感想や、素直な思い・発言に触れ、講師や先生方のほうが毎回感動し、講座の有意義さを実感されるそうです。そして、今後専門職、家族だけでは認知症状のある方たちを支えきれない状況に備え、ひとりでも多くの認知症サポーターを養成することに重点を置いています。

 2003年にグループホーム「ねんりんはうす」を開所。2006年には市がグループホーム整備計画を立て、事業者が近隣住民に対して行う説明会に同席した際の話し合いで、地域の認知症に対する理解度に危機感を抱き、事業者主導で行政と共に行った、徘徊模擬訓練(認知症の方が行方不明になったときにその情報を受けて地域で捜索をする訓練)では60人の市民が参加し講師の話を熱心に聞き入る姿から、他の地域でも徘徊模擬訓練を行いました。行政主導ではなくても市民、事業者、行政が協働で行える可能性を感じたそうです。

 他にも地域の問題を各自の視点から解決しようとする動きやとりくみがあります。

西東京市のように、行政主導ではなく、市民の声を聞き、医療福祉現場実践者の意見、実感を尊重しながら「地域の力」、「人の力」、「つながる力」を行政も一緒になってその「力」を引出し、活用し、つなげていく関わり方が求められていると感じます。市民、事業者、行政がそれぞれ主体となって共に地域の課題を解決する、協働のまちづくりの実践を重ねることで、地域包括ケアの実現が叶うのではないでしょうか。

 江東区にも、協働のまちづくりの実践を重ねるとりくみやしくみを作り、江東区で最後まで暮らせる、地域包括ケアの実現をめざして行きます。