「LGBTについての認識と対応について」板橋アカデミーを視察

2017年9月12日 12時24分 | カテゴリー: 活動報告

板橋区教育委員会は、教職員、教育委員、保護者、教育委員会事務局職員等が共に学び合う場として「板橋アカデミー」を毎月開催。さまざまなテーマを取り上げ、講義やアクテイブラーニングを取り入れた協議を行っています。

25回目となる2017年9月5日のテーマは「LGBTについての認識と対応について」

まずは、国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)日本代表 土井香苗さん『LGBTに対する理解を深めるために』の講義から。
参照資料:HRWの2015年の調査報告書『「出る杭は打たれる」日本の学校におけるLGBT生徒へのいじめと排除』

2015年、HRWは14都道府県で、LGBTの子どもや若者数十人を含む100人超から、学校でのいじめの実態聞き取り調査を行った。結果、LGBTの子どもからいじめの報告を受けた教師の対応はばらばらで、教師個人のLGBT観・知識に左右され、無知や偏見に満ちた反応も少なくないという事が明らかになった。また、オンライン調査(25才未満の当事者中心に458人回答)では、最近学校でLGBTへの暴言等を経験した子どもは8割を超え、その約3割が教師の発言であり、さらに暴言等の発言を目撃した教師の6割は特に対応せず放置していた。

LGBTの出現率は世界的には4~8%といわれ、日本では㈱電通調査で約7%。左利きの出現率より高く、1クラスに1~2人存在することになる。

文部科学省は2016年4月「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)」の手引きを公開。教師の3人に1人がLGBTについて知識が無く、6割以上の教師が、LGBTについて授業で取り上げる必要性を感じているが、実施は1割強のみという調査結果。
この手引きを基に、現役職員全員に対する研修を義務化すべき。

当事者の子どもは、自分自身が受け入れられない状況のもと、LGBTについての正しい情報が取得できず、学校ではもちろん、家でも、特に親には打ち明けられず悩んでいる。
学校でのLGBT教育が、子どもにとっての生死を分けるほどの重要性を持っている。

性同一性障害については、法整備が行われたが、性別を変える法律上の条件は厳しく、精神科医の診断や、不妊手術も受けなくてはならない。
子どもは、性同一性障害の医療診断を受けることなく、その子がその子として認められ、自らのジェンダーアイデンテティ(性自認)に応じた教育が受けられるようにすべき。

 

つづいて、グループとなり「LGBTの授業を行う場合の配慮について」の意見交換を行いました。
「中途半端な教育ではなく一貫性のある教育が重要である。」「保健室の掲示板に『SOGI~人らしさを大切にしよう~』と新聞の切り抜きが掲示され、子どもの目に触れる実践に取り組みたい。」などのグループ発表がありました。
私は小学校の女性副校長と、中学校の男性教師、女性の保護者のかたたちと、それぞれ違った視点の意見が交換でき、刺激を受けました。

最後に土井さんからは、SOGIハラスメントが教室や学校の中で無くなるように、また、LGBTの人たちを支援する”アライ”になっていただきたいと結びました。

今回は180人の参加で満席、教員が9割、他は保護者や地域の方、学校支援地域本部の方でした。このような教職員だけではなく保護者もともに学び、意見交換する場があることは、素晴らしいと感じました。

今後の教育委員会の取り組みとして江東区へ提案していきます。